南大阪動物医療センターコラム

2012年8月24日 金曜日

ドライフードも歯垢のもと

 犬・猫には、ほとんど虫歯がありません。それはミュータンス菌(虫歯菌)が繁殖しづらい環境が口の中(口腔)にあるからです。そのかわりに、3歳以上の犬・猫の8割以上に歯周病があると言われています。高齢化が今後進めば、歯周病の動物はさらに増える恐れがあります。

 進行した歯周病は歯石の除去だけでなく、ぐらついた歯を抜かなくてはなりません。そうなる前に、積極的な歯科予防が強く望まれます。

 動物の予防歯科は口腔環境の違いから、人の予防歯科の考えをそのまま持ち込むわけにはいきませんが、歯ブラシによるブラッシングが理想なことは同じです。これは物理的にプラーク(歯垢)を破壊する優れた方法で、歯肉の血行を促進し、子犬ではしつけにもなります。

 週に3回のブラッシングで十分といわれていますが、長期間継続するのはなかなか難しいものです。そこで、さまざまなデンタル用品となるのですが、効果が証明されているものは意外と少ないものです。

 ポリリン酸塩配合のトリーツ、アスコルビン酸塩亜鉛含有ジェル、酵素配合デンタルチュウなどがVOHC(米国獣医口腔衛生委員会)で推奨されています。よく誤解されていることに、ドライフードはカリカリかむことで歯垢を落とし、缶詰フードは歯垢をためやすいというイメージがあります。しかし、大規模な疫学調査によって普通のドライフードが歯周病予防に効果があるとは認められませんでした。

 デンタルフードと呼ばれるポリリン酸塩配合のフードや、歯との接触を増やす特殊な繊維構造のフードだけが歯垢や歯石の予防効果を備えているのです。

 ドライフードを与えているからと安心しないで、積極的な予防歯科を考えましょう。自分なら寝る前に歯を磨き、その後でせんべいを食べてしまったら、もう一度歯を磨き直しますものね。硬い食べ物も歯垢のもとなのです。


 



投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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