南大阪動物医療センターコラム

2012年9月24日 月曜日

水のがぶ飲みは病気の兆候

「多飲多尿」とか「多尿多渇」とか呼ばれる症状があります。たくさんの水を飲み、多量に排尿する動物に問題のない動物はいません。元々、動物は必要最小限の水しか飲まないものです。特に猫はいつ水を飲んでいるのか気付かないくらい水に執着がありません。

 人や犬猫の体の約60%は水分です。この水分の調節にかかわる病気は多岐にわたります。犬猫の高齢化に伴って増加傾向にある糖尿病もその一つです。

 糖尿病はインスリンの不足などによって血糖値が上昇し、糖が尿にまで排せつされるようになります。このとき、上昇した血糖によって血液の浸透圧(血液の水分の濃さ)が跳ね上がり、体は多量の水を飲んで薄めて排せつしようとするのです。つまり糖尿病の発病当初の症状で見逃してはいけないのが多尿多渇ということになります。

 同様に多尿多渇を示す慢性腎不全は特に高齢の猫で多く見られます。この病気は、長年にわたり徐々に腎臓が侵され、犬猫では主に尿の濃縮機能が低下します。尿の濃縮機能というのは、体に水分が不足している場合、尿への水分の排せつを最小限にし、体の水分の喪失を抑える腎臓の大切な機能の一つです。

 尿の濃縮能が低下した結果、常に薄い尿を排せつし続け、脱水がどんどん進行していくことになります。脱水が進行してはたまりませんから、失われていく水分を多量の水を飲むことで補い続けなければなりません。水に執着しなかった猫が必死に水を飲んでいる姿を見たら要注意です。

 それ以外にも、副腎機能や甲状腺機能の異常、尿崩症と呼ばれる抗利尿ホルモン不足によって多尿多渇は見られます。子宮蓄膿症では蓄膿の原因が作る毒素によって、一時的な尿崩症を伴います。水分をがぶ飲みする動物は必ず何か体の異常を訴えているのです。


 



投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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