夏の果物といえば、スイカと桃でしょうか。旬の食べ物を口にするのはささやかな幸せでもあります。家庭犬の中にはこれらの果物が大好物で、それをゲットするためなら手段を選ばないつわものもいます。その結果、時にはとんでもないことが持ち上がります。桃の種、おもちゃの積み木、毛糸の塊、カーテンの一部、ハムに巻いてあるひも、針のついた縫い糸、焼き鳥のくし、石ころ、硬貨などなど。これらは、実際に犬や猫の消化管から取り出した異物なのです。消化管の中にあった期間はまちまちで、少なくとも半年以上というものから、さっき飲み込みましたというものまで、千差万別です。嘔吐などの症状が激しくて受診し、レントゲンで写るものは分かりやすいのですが、レントゲンが透過してしまうような異物で、飼い主も飲み込んだことに気付いていない場合には、診断に手間取ることもしばしばあります。桃の種などは厄介な異物の代表で、大抵は胃の内にとどまっています。症状は時々嘔吐がみられる程度で、家族が桃を食べたことをすっかり忘れたころに嘔吐がひどくなったような場合には、問診で何の手がかりもなく、レントゲンでも診断が非常に微妙で、かすかに輪郭が確認できれば良い方です。バリウム検査に進むか、内視鏡を選ぶか苦慮するところでもあります。それは人と違い内視鏡の検査に全身麻酔を必要とするからですが、安易にバリウム検査へと進むと、それで異物とはっきりさせることができたとしても、内視鏡での摘出や胃の切開をするのにバリウムが障害となります。動物が飲み込んだ異物の診断は意外と難しいものです。「種飲んでしもた」と動物がしゃべってくれれば、誰も悩まずに済むことも、言葉を話すことのできない動物と向き合う獣医師の宿命と言えるでしょう。桃の季節は桃の種の季節でもあるのです。/*StyleDefinitions*/table.MsoNormalTable{mso-style-name:標準の表;mso-tstyle-rowband-size:0;mso-tstyle-colband-size:0;mso-style-noshow:yes;mso-style-priority:99;mso-style-qformat:yes;mso-style-parent:"";mso-padding-alt:0mm5.4pt0mm5.4pt;mso-para-margin:0mm;mso-para-margin-bottom:.0001pt;mso-pagination:widow-orphan;font-size:10.5pt;mso-bidi-font-size:11.0pt;font-family:"Century","serif";mso-ascii-font-family:Century;mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:"MS明朝";mso-fareast-theme-font:minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin;mso-bidi-font-family:"TimesNewRoman";mso-bidi-theme-font:minor-bidi;mso-font-kerning:1.0pt;}" />

南大阪動物医療センターコラム

2013年7月 6日 土曜日

夏の果物はタネに注意

夏の果物といえば、スイカと桃でしょうか。旬の食べ物を口にするのはささやかな幸せでもあります。家庭犬の中にはこれらの果物が大好物で、それをゲットするためなら手段を選ばないつわものもいます。その結果、時にはとんでもないことが持ち上がります。

桃の種、おもちゃの積み木、毛糸の塊、カーテンの一部、ハムに巻いてあるひも、針のついた縫い糸、焼き鳥のくし、石ころ、硬貨などなど。これらは、実際に犬や猫の消化管から取り出した異物なのです。消化管の中にあった期間はまちまちで、少なくとも半年以上というものから、さっき飲み込みましたというものまで、千差万別です。

嘔吐などの症状が激しくて受診し、レントゲンで写るものは分かりやすいのですが、レントゲンが透過してしまうような異物で、飼い主も飲み込んだことに気付いていない場合には、診断に手間取ることもしばしばあります。

桃の種などは厄介な異物の代表で、大抵は胃の内にとどまっています。症状は時々嘔吐がみられる程度で、家族が桃を食べたことをすっかり忘れたころに嘔吐がひどくなったような場合には、問診で何の手がかりもなく、レントゲンでも診断が非常に微妙で、かすかに輪郭が確認できれば良い方です。

バリウム検査に進むか、内視鏡を選ぶか苦慮するところでもあります。それは人と違い内視鏡の検査に全身麻酔を必要とするからですが、安易にバリウム検査へと進むと、それで異物とはっきりさせることができたとしても、内視鏡での摘出や胃の切開をするのにバリウムが障害となります。

動物が飲み込んだ異物の診断は意外と難しいものです。「種飲んでしもた」と動物がしゃべってくれれば、誰も悩まずに済むことも、言葉を話すことのできない動物と向き合う獣医師の宿命と言えるでしょう。桃の季節は桃の種の季節でもあるのです。

投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

カレンダー

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31