寄生虫というと消化管に寄生する回虫や心臓に寄生するフィラリアなどの内部寄生虫を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、皮膚に寄生する外部寄生虫もいます。ノミはその代表ですが、それ以外にもダニの仲間の疥癬虫や毛包虫が動物たちを悩ませることもあります。疥癬虫にはヒト疥癬、イヌ疥癬、ネコ疥癬などの種類があり、それぞれの宿主にすみ着きます。違った動物種を間違えてかむことはあっても、そこにすみ着くことはできません。ちなみに、ヒト疥癬はナポレオンの戦意を喪失させた”真犯人”として有名です。疥癬虫も毛包虫も全身に脱毛やカサブタ、タダレを作りますが、疥癬虫のほうがかゆみは激しく、寄生動物から疥癬虫を移されることによって健康な動物も発症します。毛包虫はニキビダニとも呼ばれ、毛穴に寄生するダニの仲間です。すべての哺乳類にはそれぞれに分化したニキビダニが寄生し、寄生率は100%ともいわれます。ですからほとんどすべての健康な動物にすでに寄生していて、健康な皮膚からも検出されるのが普通です。ステロイドの投与や免疫の低下などによって異常な増殖を起こし、発症に至ります。共にダニの仲間ですので、全身に広がった場合はイベルメクチン製剤などの全身投与が効果的です。ただし、この製剤はMDR1遺伝子という解毒機構に異常がある場合は使用できませんので、使用前に異常の有無をチェックする必要があります。軽症ならばアミトラズ製剤などの外用薬も効果的で、シャンプー療法と組み合わせると良いでしょう。疥癬虫は皮膚の角質層にトンネルを掘り、そこで卵を産むため根治に時間がかかりますし、毛包虫は免疫を低下させた基礎疾患の管理なくして根治はあり得ません。共に多少の改善があっても油断せずに治療を続けることが大切です。人も動物もかゆみほど耐え難いものはないですものね。/*StyleDefinitions*/table.MsoNormalTable{mso-style-name:標準の表;mso-tstyle-rowband-size:0;mso-tstyle-colband-size:0;mso-style-noshow:yes;mso-style-priority:99;mso-style-qformat:yes;mso-style-parent:"";mso-padding-alt:0mm5.4pt0mm5.4pt;mso-para-margin:0mm;mso-para-margin-bottom:.0001pt;mso-pagination:widow-orphan;font-size:10.5pt;mso-bidi-font-size:11.0pt;font-family:"Century","serif";mso-ascii-font-family:Century;mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:"MS明朝";mso-fareast-theme-font:minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin;mso-bidi-font-family:"TimesNewRoman";mso-bidi-theme-font:minor-bidi;mso-font-kerning:1.0pt;}" />

南大阪動物医療センターコラム

2013年10月 3日 木曜日

かゆみの原因 皮膚への寄生虫

 寄生虫というと消化管に寄生する回虫や心臓に寄生するフィラリアなどの内部寄生虫を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、皮膚に寄生する外部寄生虫もいます。ノミはその代表ですが、それ以外にもダニの仲間の疥癬虫や毛包虫が動物たちを悩ませることもあります。

 疥癬虫にはヒト疥癬、イヌ疥癬、ネコ疥癬などの種類があり、それぞれの宿主にすみ着きます。違った動物種を間違えてかむことはあっても、そこにすみ着くことはできません。ちなみに、ヒト疥癬はナポレオンの戦意を喪失させた真犯人として有名です。

 疥癬虫も毛包虫も全身に脱毛やカサブタ、タダレを作りますが、疥癬虫のほうがかゆみは激しく、寄生動物から疥癬虫を移されることによって健康な動物も発症します。

 毛包虫はニキビダニとも呼ばれ、毛穴に寄生するダニの仲間です。すべての哺乳類にはそれぞれに分化したニキビダニが寄生し、寄生率は100%ともいわれます。ですからほとんどすべての健康な動物にすでに寄生していて、健康な皮膚からも検出されるのが普通です。ステロイドの投与や免疫の低下などによって異常な増殖を起こし、発症に至ります。

 共にダニの仲間ですので、全身に広がった場合はイベルメクチン製剤などの全身投与が効果的です。ただし、この製剤はMDR1遺伝子という解毒機構に異常がある場合は使用できませんので、使用前に異常の有無をチェックする必要があります。軽症ならばアミトラズ製剤などの外用薬も効果的で、シャンプー療法と組み合わせると良いでしょう。

 疥癬虫は皮膚の角質層にトンネルを掘り、そこで卵を産むため根治に時間がかかりますし、毛包虫は免疫を低下させた基礎疾患の管理なくして根治はあり得ません。共に多少の改善があっても油断せずに治療を続けることが大切です。人も動物もかゆみほど耐え難いものはないですものね。



投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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