南大阪動物医療センターコラム

2013年12月19日 木曜日

毒にもなる人間の食べ物

 動物が薬物で中毒を起こす場合、様々な状況が考えられます。草木にまかれた殺虫剤や除草剤などの農薬による中毒。アセビやホオズキに代表される自然毒の摂取。家庭内にある乾燥剤や化粧品、塗料、さらには人の医薬品などの誤食。動物たちの周りには危険がたくさん潜んでいます。本能的に吐き出して事なきを得る場合も少なくはないのですが、中には当たり前のように人が食べているものでも、量的な問題や動物種による体の反応の違いによって命にかかわるものもあるのです。
 つとに知られているのがネギ類です。玉ネギや長ネギに含まれる硫化アリルプロピルは犬猫の赤血球を壊してしまう働きがあります。水に溶けやすく、しかも加熱しても分解しないので、ネギ類はそのスープや汁も与えてはいけません。
 また、チョコレートに含まれるテオブロミンは痙攣や興奮、不整脈を起こさせます。犬の中毒量は体重1㌔あたり60~200㍉㌘と言われていますが、ブラックチョコレートには10㌘当たり40㍉㌘含まれているので、注意が必要です。
 最近人気のキシリトールも、人では虫歯の原因にならず、カロリーも低く、インスリンも分泌させないということでいいことずくめですが、犬ではブドウ糖の6倍の強さでインスリンを分泌させ、大量の摂取で低血糖や低血糖性の痙攣を起こし、肝障害の恐れもあります。ちなみに、キシリトールでインスリンを分泌する動物は犬、牛、ヤギで、分泌しないのは人、猿、馬だということが分かっています。残念ながら猫については不明です。その理由は、動物種によってインスリンの分子構造に多少の差異があり、犬の血液中のインスリン濃度は人と同じ検査で計測できますが、猫では計測できないからなのです。
 違う動物種を理解するというのはとても大変なことです。人にとっては薬でも犬猫にとっては毒というものが、たくさんあることを覚えておいてくださいね。


投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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