南大阪動物医療センターコラム

2014年2月18日 火曜日

ワクチン接種で流感予防


今年の冬は既に人間のインフルエンザが流行の兆しです。最も効果的な予防法はワクチン接種です。一方、猫に風邪症状を起こさせるものには、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアの三つがあります。いずれの病気も人間のインフルエンザ同様、ワクチンによって予防可能です。

 この中で特に問題となるのがヘルペスウイルスです。免疫を持たない猫がヘルペスに感染すると風邪のような症状を起こしますが、体力があれば肺炎などの合併症は起こさず、抗体が作られて回復してきます。ヘルペスウイルスは抗体によって血液中から駆逐されるのですが、抗体の働きの及ばない神経線維の中に逃げ込んでしまうものもいます。

 抗体の力が強い間は神経の中で身動きがとれず症状を出すことはありませんが、妊娠や授乳、発情行動、他の疾患などによって免疫力が低下すると、神経の中からはい出てきて増殖し、やおら悪さを始めるのです。母親がこのようなキャリアー猫の場合、子育てによって体力を消耗し、息を吹き返したヘルペスを放出し始め、ちょうど離乳のころに子猫が発病するという困った事態が起こります。

 猫はにおいによって食べ物が安全かどうかを判断する動物です。風邪で鼻づまりを起こすとにおいがわからなくなり、本能的に危険を感じて、どんなものも食べることができなくなってしまいます。そんな場合には食べ物を人肌に温めてにおいを強め、鼻の周りを常に清潔にします。時には輸液療法やインターフェロン療法など動物病院での治療が必要となります。

 風邪症状が治ってからも、定期的なワクチン接種で常に強い免疫を維持することによってキャリアー猫の発病を抑えることはできます。もちろん、理想的には感染前にワクチンを接種し、キャリアー猫にならないようにすることが大切なことは言うまでもありません。人も猫も転ばぬ先の杖、健康なればこそワクチン接種も可能なのです。百の治療より一つの予防を心掛けましょう。



投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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