南大阪動物医療センターコラム

2014年6月10日 火曜日

体の変化も起きる偽妊娠

 

人と犬の生理には大きな違いがあります。それは無発情期といって半年ほど生理が止まっている時期が犬にはあるのです。この無発情期が良くも悪くも偽妊娠という状態の引き金になります。

偽妊娠とは書いて字のごとくの意味ですが、犬の体に起こる変化は本当の妊娠に限りなく近いものです。体が熱っぽくなり、おっぱいが張ってきて、搾ると実際に母乳も出ます。子宮に赤ちゃんがいないことを除けば、通常の妊娠と変わりがないのです。

偽妊娠が起きる理由にはいくつかあります。一つは無発情期の犬が、散歩などで生理中の犬と遊んだような場合、生理が移ることがあります。

この時、先の生理と十分な間隔がなかった場合には排卵の準備が間に合わず、交尾しても赤ちゃんはできません。これを「1回だけ不妊症」と呼び、交尾後2ヵ月くらいで妊娠したかのような兆候が現れます。

また、無発情期を誘導するホルモンによって偽妊娠が起きる犬もあり、生理のたびに妊娠の兆候を示すことになります。

犬は昔から集団生活をしてきました。群れで生活していると、みんなで一斉に出産したほうが子犬を守りやすいというメリットがあります。

誰かに生理が始まると群れ全体にそれが移り、同じような時期に出産を迎えます。その時に妊娠しなかった犬もお乳が出ると、乳母のような役目が果たせ、群れとして大きな恩恵があります。偽妊娠はそのころのシステムが現代に生きる犬に残っているのだという説があります。

しかし、集団生活をしない現代の犬たちにとって、無用にお乳が出たりすることは、それがもとで乳腺炎を起こすなど苦痛はあっても、メリットはありません。

不妊手術によって動物の偽妊娠は起きなくなります。愛犬に快適な生活を送らせてあげたいと願うのは誰しも同じでしょう。



投稿者 有限会社南大阪動物医療センター

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