南大阪動物医療センターコラム

2013年2月25日 月曜日

猫ひっかき病 飼い主はご用心

  ノミは犬猫の体表で生活し、吸血を繰り返して産卵します。卵は楕円形で直径が0.5㍉。畳の上や野原に落ちた卵はやがて幼虫になり、さなぎを経て親ノミとなり、犬猫がやってくるのを待ち構えています。ちなみに親ノミの体長は3㍉ほどです。

 ノミの活動は気温が25度以上になると始まります。それまでは戸外で卵やさなぎとして冬を越し、暖かくなるのを待っているのです。しかし、最近は住まいの冷暖房が整い、室内で年中活動するノミもいます。

 ノミの吸血による被害は動物たちのかゆみにとどまりません。人にすみつくことはありませんが、刺すのは日常茶飯事ですし、犬や猫の瓜実条虫を媒介します。最近問題になっている猫ひっかき病の原因菌(バルトネラ属の細菌の一種)もノミが猫から猫へ、猫から犬へ媒介します。この細菌が犬や猫に感染してもほとんど症状はなく、人間の体内に入った場合にだけ、やっかいな症状を出します。

 特徴的な症状は、わきの下や、足の付け根にあるリンパ節の急激な腫れで、卵ほどの大きさになることもあります。発熱や頭痛、全身にだるさがあり、肝臓の障害を起こす場合もあります。 

 毎年、ノミが活発に活動する時期(7~11月)に人の発病が増加します。つまり夏にノミが猫や犬にこの細菌を媒介して感染動物を増やし、感染動物から人へと被害が及ぶのです。

 感染の仕方は病名どおり猫のひっかき傷が半分を占めますが、噛み傷や接触だけでも感染することがあります。しかし、決して猫を飼っている人だけの話ではなく、少数ですが犬からの感染例もあります。

 また、ノミから人へ直接感染した例も報告されており、動物のノミとて油断できません。動物のノミ駆除は動物たちの快適な生活のために不可欠ですが、私たち人間の病気予防でもあります。さまざまなノミ駆除の薬剤がありますが、確実な駆除には専門の知識が必要ですので、動物病院に相談してください。

投稿者 有限会社南大阪動物医療センター | 記事URL