南大阪動物医療センターコラム

2013年3月27日 水曜日

犬に多い甲状腺機能の低下

  暑い夏なのに寒がる。小食なわりに太っている。うまくつじつまの合わない体のコンディションは、その裏に内分泌異常、つまりホルモンの失調が隠れていて、正常な体の調節が損なわれた結果なのかもしれません。

 その中の一つ、甲状腺ホルモンは体の新陳代謝に重要な役割を果たしていて、例えば何かの病気になったときには甲状腺ホルモンによって、傷ついた細胞が新しい細胞と入れ替わり、修復されていきます。

 もちろん病気以外のときにも、甲状腺ホルモンの働きは大切で、ほとんどすべての臓器・組織の健全性を保つために必要です。甲状腺が炎症を起こし、甲状腺ホルモンの量が不足してくると、全身の毛が少しずつツヤを失って薄くなり、活発さが低下して今ひとつ元気がなくなり、寒がって熱を求めるようになり、脂肪が代謝されずに体重増加が起こってきます。

 目に見えないところでは、骨髄の活動も鈍り貧血気味になったり、脈の数が少なくなったりします。この状態を甲状腺機能低下症といいます。太ってしまう病気ともいえるこの病気、犬では最も多い内分泌疾患で、少しも珍しい病気ではありませんが、猫では極めてまれな病気です。

 太れるのだからたいした病気ではないと甘く見ていると、さまざまな障害が表れ、果ては免疫不全に陥ることもあります。

 幸い、診断することさえできれば治療は不足した甲状腺ホルモンを補うことで達成され、生涯にわたる投薬によって寿命を全うできると言われています。

 診断にはホルモンの測定が必要なため検査費用は多少かさみますが、投薬を開始してしばらくすると体重が落ち、行動も活発になって、見違えるほど若々しさを取り戻すことができます。もし愛犬が年齢よりうんと老けて見えるようなら、また、愛犬の体重増加が説明のつかないものだったら、甲状腺機能低下症が治療可能な病気だということを思い出してください。

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