去勢・不妊手術
当院での考え

ニュータードという言葉をご存知でしょうか。これは、中性化した動物のこと、つまりメスであれば卵巣と子宮を摘出し、オスであれば睾丸を摘出した動物のことを指します。
一つ屋根の下で暮らす動物たちの存在無しに自分の生活を語れないという方は多いでしょう。その結びつきを強く感じる人ほど、家族なのだからと、インタクト(未手術であること)への強い執着が見られます。果たして、それは動物たちにとって意味のある幸福なことなのでしょうか。
中性化手術(不妊・去勢手術)は、決して子供を産ませないことだけを目的にした手術ではありません。インタクトの動物に発情の時期が訪れると、家族のことなど眼に入らず、異性が気になり、外へ出たいという衝動に駆られ、食事どころではなくなります。この時期は、家族との関係と自分の内なる本能との板ばさみに我慢を強いられるのです。一方、家族からすれば、食欲が落ちて心配したり、生理ショーツをはかせたり、メスの猫であれば夜を徹しての求愛の歌に悩まされたりと、心労が絶えません。ニュータードなら発情はなく、人と動物の関係が危うくなるこの危険な時期を過ごす必要はありません。
さらに、卵巣・子宮・精巣・前立腺の病気、乳がん、会陰ヘルニアなど、ニュータードならかからないですむ病気が山のようにあり、明らかにインタクトより寿命が長いのです。
中性化手術は決して人間の利便や勝手の押し付けではありません。家族との良好な関係を保ち幸福な毎日を過ごすことこそ動物たちの望みです。彼らにとって憂鬱な発情から出産へと続く道のりは、命の消耗ではあっても生きがいとはなりません。彼らの寿命は人の寿命よりはるかに短く、共に過ごせる時間を少しでも長くと家族が考えるのはごく自然なことです。中性化は繁殖能力を神様にお返しすることで、さらに幾年かの寿命を授かることなのだと考えることができるのです。
メリット・デメリット
- 子供ができなくなる
- 発情がなくなり、発情ストレスや、出血(メス)などの管理から解放される。
- スプレー行動が減少する事が多い(オス猫)
- 性格が穏和になる
- オスの精巣腫瘍、前立腺疾患、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの疾病リスクが減る
- メスの子宮蓄膿症、卵巣腫瘍の発生は無くなる。
- メス犬の乳腺腫瘍の発生リスクが下がる(特に2回目発情まで)
- 手術後に少し肥満しやすくなる傾向がある
- 全身麻酔と手術のリスク(ほとんどありません)
- 性ホルモン失調性疾患の発現(希な疾患です)
- 手術費用がかかる



